山里に暮らす

山里に移り住み、日本の原風景の中で自然や地元の人たちとの共生を楽しむ家族の記録です。

村の獣害対策会議

 昨夜は村の会議所に委員が集まり、獣害対策委員会が開かれ、出席しました。私が暮らす村では稲刈りの時期になると、毎年ニホンジカやイノシシの獣害に悩まされますが、今年は特に深刻です。町全体では総延長200kmに及ぶ防獣フェンス(ワイヤーメッシュ)が山裾や圃場の周囲に張り巡らされていますが、それでもイノシシなどはフェンスの下を掘り、圃場に侵入してきますし、そうしてもろくなった部分はシカの進入路にもなります。
 これらの防獣フェンスなどは国や県の補助で設置されていますが、設置してからすでに12年が経過しており、あちらこちらで綻びも出ております。しかし、現在の決まりでは設置後14年を経過しないと新たなフェンスの設置ができないことになっており、途中で修復した箇所については、修復してから更に14年の経過を待たなければ、その箇所のフェンスを更新することができません。このような実情に見合わない施策に対し、農林業の現実に即し、早急に防獣フェンスの更新や強化をお願いする要望書を委員でまとめました。

川の護岸崩落現場

 お隣の村に流れる、農業用水としても利用されている河川。度重なる大雨や台風で護岸が崩落してしまっています。樹木が生えたまま2mほど崩れ落ちているところや、竹林ごとずり落ちているところも。流れ込んだ土砂が堆積した川底は浅くなり、大雨が降った場合の心配も増してきます。行政にも対処をお願いしなければ。

ベチャベチャ田んぼで稲刈り

 滋賀の山里に移住して、もうすぐ丸7年。それまでベランダでミニトマトを作ったり、ゴーヤでグリーンカーテンを作った経験しかなかった私たち家族。地域の方々に少しずつ米や野菜の作り方を教えてもらい、最初は機械も貸してもらい、今では約2町の田んぼを耕作しています。
 農業機械って結構高価。新品はちょっと手が出せないので、うちの農機具はすべて中古。まず最初の年に買ったのが軽トラと刈り払い機(草刈り機)とチェーンソー。次の年にトラクターとテーラー(耕運機)。その次の年は田植え機。またその次の年はコンバイン・・・そして今年は自走式草刈り機。こんな具合に少しずつ揃えていき、今では農業倉庫のシャッターを上げると、それなりのものが一通り。狩猟免許も獣害対策という必要に迫られて取得しました。
 私の住む地域は粘土質の圃場で、とても美味しいお米がとれます。我が家のお米は昨年も一等米ばかりでした。ですが、ベチャベチャの田んぼというのは植えるのも刈るのも大変。コンバインが入らず、手で刈らなければいけない田んぼが結構あります。


 わたしは本業があり、稲刈りを手伝える日が少なくて家族に申し訳ないのですが、息子が仕事の休みを振り替えて稲刈りを頑張ってくれ、家内はまるで田植えのような出で立ちで手刈りをしてくれます。


 農業をしていると、私たちは自然の一部で、地球の息吹に合わせて生きていくということが実感できる気がします。何日も何日も雨が降らず、カラッカラに乾く日があるかと思えば、稲を刈るころになって雨が続き、なかなか思うように稲刈りが捗らないこともしばしば。それでも、だれが悪いわけでもなく、愚痴ってみても何も始まらない。大地とともに生きるとは、そういうものなんだと改めて実感させてもらえます。恵みに感謝です。