山里に暮らす

山里に移り住み、日本の原風景の中で自然や地元の人たちとの共生を楽しむ家族の記録です。

相棒、屋久島犬のヒメ

 この頃多忙を極めており全く出猟できていませんので、今日は相棒をご紹介します。



 屋久島犬のヒメです。3歳、女の子。


 ハンターのほとんどの方は猟犬にGPSを装着し、手元でその位置を確認しながら狩猟をしておられますが、私はGPSも無線発信機も付けていません。必要ありません。



 カケ(鹿や猪の足跡)でヒメを離すと、その跡を追い、塒を見つけてくれます。もしも獲物が見つからなければ、私のところに帰ってきますし、獲物がいれば、こちらに追い立ててくれます。そして、このアクションを何度でも繰り返してくれます。


 狩猟は一に猟犬、二に腕前、三に銃と言われます。私は腕も半人前ですし、銃も安物ですが、猟犬のおかげで今季も11月から1月の3か月間だけで鹿24頭、猪5頭を仕留める事が出来ています。


 今日も向かいの山に散歩に行きましたが、下山にもたつく私をしり目に、ヒメは一足先に勝手に自宅の犬小屋に帰宅しておりました。


 優秀なパートナーに恵まれたおかげで、幸せな狩猟生活を送らせていただいています。

今季最高。150kg超のイノシシをゲット!

 「溜池の畔にある養蜂箱の周囲が、猪に掘り返されて滅茶苦茶になってる!」とMさんから電話がかかってきたのは昨日の早朝。


 とりあえず狩猟の準備を整えて、大急ぎで現地へ。確かにミツバチの巣箱周辺が掘り返されて酷い状態に。痕跡がまだ真新しい感じなので、周辺の森を息を殺しながら探索。それらしき巨大なカケ(足跡)が点々と続いている。


 森を探索すること40分間。2時の方向でガサガサと笹の音が。低く伏せて息を殺して様子を探っていると、20mほど先に巨大な黒い物体が動いているのが分かる。クマか?
いや、あれは巨大な猪!この距離でも牙がはっきりと確認できる。


 膝撃ちの姿勢になり、しっかりと頬付けを。大きく息を吸い込み、ライフルサイトの照門中央に照星を合わせる。吸い込んだ息をゆっくりと吐きながら、引き金をそっと絞る。


 パーン!



 左前足の付け根から入ったスラッグ弾は右前足の付け根へと貫通。たった1発で巨体が沈む。


 Mさんと、知人のSさんを呼んで、3人で軽トラの荷台へ。腰を壊しそうなくらいの重量。持ち帰って内臓を抜き、その状態で米の計量器に乗せると、なんと150kg超!
 文句なし、今季最重量級の猪でした。吊るしてみると、私の背丈(164cm)と比較してもこのサイズ。近くの田んぼをぬた場にして荒らしまわっていたのは、きっと彼だったのかな?そんなことを思いながら、この後、みんなで協力して解体しました。

猪の糞を追って鹿に遭遇、捕獲。

 朝9時半に隣村の友人Aから電話。


 友A:「池にカルガモが20羽ぐらい浮いとるでぇ。撃ちに来ぉへんか?」
 私:「ごめん、今手ぇが離せへんわ。昼からやったらあかん?」
 友A:「ほんなら来られるようになったら電話してぇ。」


 と、言うわけで午後1時頃に友人2人と3人で池へ。見てみると浮いてる浮いてる。
 そっと池に近寄ったのですが、友人Bが池の縁から、ひょこひょこ頭を出して覗いている。当然カルガモはそれを発見。一斉に水面から飛翔。


 私はモデ銃身を装着したM870から4号弾を3連射。2射目が当たり、1羽を撃墜、藪の中へ。友人Bも、レミントンの自動銃で3連射。全く当たらず。傍目でも銃口が群れにインしていないのが分かる。
 その後3人で撃墜したカルガモを探し、藪の中を捜索。30分以上探したものの、結局見つからず。外したより悔しいし、撃墜したカルガモに申し訳ない気持ちでいっぱい。


 長く入っていない山があるから久々に入ってみようということになり、私の車に3人乗って、トコトコと。友人Aは銃の許可を持っていないので、爆竹を使ってセコ役。M870をスラッグ銃身に換装した私は、山の中腹近くで友人Aと分かれて待ちを。Bから無線。


友B:「そろそろ入るでぇ。」


 友人Bが山に入り、爆竹の音が数発。すると10分と経たないうちに友人Aの方向に複数頭の鹿の足音が。パーン!銃声が1発だけ。と、言うことは仕留めたのか!私は無線で友人Aに確認。


友A:「あかなんだわ。逃げよった。」
友B:「なんで1発しか撃たなんだん?3連発すれば当たったかも知れへんやん!」
友A:「それが、撃てなんだ・・・」


 と言う2人の交信を無線で聞いていると、また複数頭の足音が。今度は猪!
 ところが、またしても足音は友人Aの方へ。しかし今回は銃声なし。


 セコをやってくれた友人Bが待ちのところまで上がってきたので、今日の巻き狩りはここまで。結局私は鹿にも猪にも出会えずじまい。


 3人でトボトボと下山しいると、麓の林道に猪の糞を発見!




 入山するときには無かったのに。すぐそばに足跡も。足跡を追い、獣道を進んでいくと、なんと5分もしないうちに中型の雌鹿に遭遇!距離100m。私の50mくらい前を歩く友人Aも気づいた様子。弾を込め、自動銃で3連射!
 が、見事に前弾外れ。その間に私もスラッグを3発装填。慌てた鹿は、正面を右から左に向かって全力疾走。距離30mまで引き付け、膝撃ちの姿勢で引き金を絞る。パーン!


 スラッグ弾がネックに命中。そのまま斜面を崩れるように落下する雌鹿。川まであと30cmというところで滑落が止まり、川への転落は避けられました。



 と言うわけで、今夜も美味しい鹿の背ロースステーキをいただくことができました。



 今日も命に感謝です。